
著者: 高木 寛治 / 出版社: 吉備人出版 / 150mm×210mm / P276 / ソフトカバー
古今東西こんなにも「石」に惹かれる人がいる…… なぜ、それほどまでに「石」に惹かれるのか?!川原や山、道端の石に魅せられ、石に関する本を求める。そして、自らも石についての深い想いをつづる。
本書は、これまでに発表した石のエッセイを再編集してまとめたもの。
◎目次
はじめに/第一章 石の黙示録/第二章 「石想記」構想/第三章 自分の石/第四章 川原の石/第五章 石と人/第六章 日常生活の中の石/第七章 石と本(一)/第八章 石と本(二)/第九章 石に学ぶ─「石の本」を探し求めて─/第一〇章 磐座の本/第一一章 石の夢/おわりに
◎前書きなど
なぜ私は、「石」に特別な関心を寄せるようになったのであろうか。それは、「存在の不安」に根ざしているのではないだろうか、と思っている。(中略) たまたま立ち寄った「石」の盆栽とも言える「水石展」で、形容しがたい石の自然美と沈黙、そして多様な形態を備えた不動の、静寂の中の、小さいが堂々とした存在に、なぜか心魅かれる思いがしたのである。「石と在る」、「石に学ぶ」ことで、不安が少なくなるように感じられたのである。「石で変わる」ことができそうであった。(中略) 石についての随筆を執筆することが生きがいを与えてくれている。石が、黙って存在の意味を教えてくれているのである。(本文「石の黙示録」より抜粋