著者: 矢萩 多聞 / 発行: 生活綴方出版部 / 100mm×140mm / P64 / リソグラフ印刷 、 中綴じ / コリアンダー付
…コリアンダーリーフを好むか好まぬか、そのわかれ道をつくったのは習慣だ。はじめは鼻をつまんでも食べられなかったものも百回食べたら、やみつきになってしまう。人間はじつにいいかげんな生きものだ。だが、そのいいかげんさのおかげで、人類は薬と毒を見分け、たびかさなる環境の変化を乗り越え、生きのびてきたのかもしれない。(本文より)
矢萩多聞さんの『お調子者のスパイス生活』シリーズ第二弾、コリアンダー編。
前回はクミン、そして今回はコリアンダー。「コリアンダー」ってエスビーの粉末スパイスでしょう?と思ったそこのあなた。パクチー、香菜、それら全部含めてコリアンダーなのです。私も最近まで彼らが同一人物であることを知りませんでした。
本書は愛し、嫌われるコリアンダーをめぐる“スパイスエッセイ”。匂いとともに思い出される、地元の坂道のこと。思いがけない不思議な効用。また、画家、装丁家にしてスパイス家(!)としても活動する矢萩多聞のコリアンダーを使ったレシピを多数掲載。おなじみ「和食にスパイス」実験はなんと「卵かけご飯」。卵かけご飯にスパイスをかけるなんて発想は考えにくいですのが、とあるスパイスを加えるとすごく美味しいらしい。前回同様家庭ですぐに試せるコリアンダーシードの小袋付き。